地下鉄大通駅にて

ホームに降りていく

頭上の　市交通局の看板の電気が

点いていないことに　今日は気を留めた

常時点いていないの　だが、

今日わたしは

ねじめ正一氏の影響で

この「点いていないこと」とどう向き合うか

考えなければいけないと思ったのだ

そう考えた私は　少しでもハリツメ始められたのか？

硬化プラスティックパネルの広告板の陰

いつの日か　理由も告げられず　通電されぬことになった

大きく長い電球が数本　

取り付けられて　あるのだろう

その無意味になった存在を　擬人化したくない

同情もできない

ツイてない奴など笑い飛ばせもしない

私はその幅３メートルもある看板が

目立ちたくて取り付けたのに、あと一歩で目立てるのに

あえて目立たぬようにされ

さらに

道ゆく市民や観光客を

暗い気持ちにしているのが嫌だった　そして

なんとなく不安な気持ちになった

詩を書くということが

私の両目に影響を与え

私とこの看板の間に

きっとある種の緊迫感を与えている

でも

そんなことに　私の周囲の　何千人もの人は

まったくかかわりなく　それなりの速度で前進するのです

私は看板の中の消えた電球です